【2026年最新】65歳になったら肺炎球菌ワクチンを | 以前「ニューモバックス」を受けた方も接種歴の確認を
- 2026年9月7日
- 予防接種
肺炎は、高齢になるほど重症化しやすく、入院の原因にもなる病気です。
肺炎の原因にはさまざまな細菌やウイルスがありますが、肺炎球菌は成人の肺炎の主な原因の一つです。厚生労働省によると、成人の市中肺炎のおよそ2~3割が肺炎球菌によるものとされています。
肺炎球菌による肺炎や重い感染症を予防する方法の一つが、肺炎球菌ワクチンです。
2026年4月から、高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種で使用されるワクチンが新しくなりました。
特に知っていただきたいのは、次の2つです。
① 65歳になった方は、定期接種の機会を逃さないこと
② 以前「ニューモバックス」を接種した方も、その後の追加接種を検討できること
「昔一度打ったから大丈夫」と思っている方も、ぜひ一度ご自身の接種歴を確認してみてください。
65歳になった方は、まず定期接種を受けましょう
2026年4月から、高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種に使用されるワクチンが、従来のニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン:PPSV23)から、プレベナー20(20価肺炎球菌結合型ワクチン:PCV20)に変更されました。
定期接種の対象となるのは原則として65歳の方です。また、60~64歳でも、心臓・腎臓・呼吸器の機能や免疫機能に一定の障害がある方は対象となる場合があります。
「65歳」が大切な接種のタイミングです
以前は「65歳、70歳、75歳…」と5歳刻みで定期接種の対象となる経過措置がありましたが、現在は終了しています。
そのため、「まだ元気だから、もう少し後にしよう」と先延ばしにしていると、65歳での定期接種の機会を逃してしまうことがあります。
65歳になったら、まず肺炎球菌ワクチンの定期接種について確認する。これが最も大切なポイントです。
※66歳以上の方は原則として任意接種(自費)となりますが、肺炎球菌ワクチンの接種を検討できます。
※過去にニューモバックスなどの肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方は、65歳での定期接種の扱いが異なる場合があります。接種歴を確認のうえご相談ください。
新しいワクチン「プレベナー20」は何が違うの?
新しく定期接種に採用されたプレベナー20は、従来のニューモバックスとは仕組みが異なる「結合型ワクチン」です。
厚生労働省では、プレベナー20はワクチンに含まれる血清型に対して、従来のニューモバックスより高い有効性が期待できると評価され、2026年度から定期接種に採用されました。
難しい仕組みまで覚える必要はありません。
「従来とは仕組みが異なり、より高い予防効果が期待できる新しいワクチンが、65歳の定期接種として使われるようになった」と考えていただければよいでしょう。
「昔ニューモバックスを打ったから大丈夫」と思っていませんか?
ここが今回、特にお伝えしたいポイントです。
これまで高齢者の肺炎球菌ワクチンとして広く使われてきたのが、ニューモバックスです。「以前、肺炎球菌ワクチンを打ったことがある」という方の多くは、このニューモバックスを接種されています。
しかし、ニューモバックスによって得られた免疫は一度接種すれば一生続くわけではなく、時間の経過とともに低下することが知られています。
そのため、以前ニューモバックスを接種した方も、現在の年齢や基礎疾患、前回の接種時期などを確認し、その後の肺炎球菌ワクチンについて改めて検討することが大切です。
今は、「追加接種」という選択肢があります
以前は、ニューモバックスを一定の間隔をあけて再接種する方法が行われてきました。
しかし現在は、プレベナー20(PCV20)やキャップバックス(PCV21)など、新しい結合型肺炎球菌ワクチンを使用できるようになっています。
2026年の日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会の合同委員会では、65歳以上の方でニューモバックスを接種したことがある場合、ニューモバックスそのものの再接種は原則として選択肢とせず、前回のニューモバックス接種から1年以上あけて、プレベナー20またはキャップバックスを接種できるとしています。
つまり、「昔ニューモバックスを打ったから終わり」ではありません。前回の接種時期や基礎疾患などを確認しながら、新しい結合型ワクチンによる追加接種を検討できます。
どのワクチンを受けるかは、接種歴によって異なります
現在、65歳以上の方ではプレベナー20とキャップバックスなどが接種の選択肢になります。
2026年度の65歳の定期接種として使用できるのはプレベナー20です。キャップバックスは現時点では任意接種となります。
一方、以前に肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方では、年齢、ワクチンの種類、前回の接種時期、基礎疾患などによって適した接種方法が変わります。
患者さんご自身で判断する必要はありません。当院で接種歴を確認し、適した接種方法をご案内します。
こんな方は一度、接種歴をご確認ください
特に次のような方は、肺炎球菌ワクチンについて一度確認することをおすすめします。
- 今年65歳になった方
- 65歳の定期接種の案内が届いた方
- 以前ニューモバックスを接種したことがある方
- 「肺炎球菌ワクチンは昔打ったけれど、いつだったか分からない」という方
- 糖尿病や慢性の肺・心臓・腎臓の病気などがある方
- ご高齢で肺炎による入院が心配な方
糖尿病、慢性肺疾患、慢性心疾患などの基礎疾患がある方では、肺炎球菌感染症のリスクを考慮してワクチン接種を検討することが重要です。
接種した時期が分からなくても、ご相談ください
「何年か前に打った気がする」
「ニューモバックスだったかどうか分からない」
「市町村から案内が来たけれど、自分が対象なのか分からない」
という方も少なくありません。
そのような場合も、予防接種の記録、お薬手帳、市町村から届いた案内などがあればご持参ください。
分かる範囲で接種歴を確認し、今後の接種について一緒に考えます。
肺炎球菌ワクチンについて覚えておきたい3つのこと
① 65歳になったら、まず定期接種を
2026年4月から、65歳の定期接種には新しいタイプのプレベナー20が使用されています。
② 昔ニューモバックスを受けた方も、それで終わりではありません
ニューモバックスによる免疫は永久に続くものではありません。以前接種した方も、その後の追加接種について確認しましょう。
③ 今は、新しい結合型ワクチンがあります
プレベナー20やキャップバックスなど、従来のニューモバックスとは仕組みの異なるワクチンが使用できるようになっています。
ご自身やご家族の接種歴を一度確認してみましょう
肺炎球菌ワクチンは、制度やワクチンの種類が変わっています。
「自分は以前打ったことがあるから大丈夫」と思っていた方でも、現在は追加接種を検討できる場合があります。
特に、65歳になった方、以前ニューモバックスを接種した方は、この機会に一度ご自身の接種歴をご確認ください。
どのワクチンを接種すればよいか分からない場合は、当院までお気軽にご相談ください。
参考資料
・厚生労働省「高齢者の肺炎球菌ワクチン」
・日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会合同委員会「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版、2026年)」
