鼻から接種するインフルエンザワクチン「フルミスト」を導入します
- 2026年9月7日
- 予防接種
当院では2026年秋より、鼻から接種するインフルエンザワクチン「フルミスト®点鼻液」を導入します。
「インフルエンザワクチンを受けさせたいけれど、注射が苦手で毎年大変……」
そんなお子さんにとって、新しい選択肢となるワクチンです。
フルミストは注射針を使わず、左右の鼻にワクチンを噴霧して接種します。日本では2歳以上19歳未満の方が対象です。
ここでは、従来の注射型インフルエンザワクチンとの違いや、接種方法、副反応、接種時の注意点についてわかりやすくご説明します。
「フルミストのポイント:注射なし/2〜18歳/1回接種/8,000円/有田町は助成後6,000円」
1.フルミストとは?
フルミストは、鼻の中に噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。
病原性を弱めたインフルエンザウイルスを使用した「生ワクチン」で、鼻やのどなどの気道粘膜や全身に免疫反応を誘導することで、インフルエンザの発症を予防します。
最大の特徴は、注射針を使わないことです。
注射による痛みがないため、注射を怖がるお子さんにとって、心理的・身体的な負担を軽くできることが期待されます。
また、日本では年齢にかかわらず1シーズン1回の接種で完了します。
2.従来のインフルエンザワクチンとの違い
フルミストと従来の注射型インフルエンザワクチンには、接種方法や対象年齢、接種回数などに違いがあります。
フルミストは、2歳以上19歳未満の方が対象で、左右の鼻にワクチンを噴霧して接種します。注射針を使用しないため、注射による痛みはありません。また、年齢にかかわらず1シーズン1回の接種で完了します。
一方、従来の注射型インフルエンザワクチンは、生後6か月以上の方が対象で、皮下注射で接種します。13歳未満では通常2回、13歳以上では原則1回接種します。
免疫のつき方にも違いがあります。フルミストは、鼻などの気道粘膜と全身の両方に免疫反応を誘導するのに対し、注射型ワクチンは主に全身の免疫反応を誘導します。
副反応については、フルミストでは鼻水・鼻づまり、咳、のどの痛みなどがみられることがあり、注射型ワクチンでは接種部位の痛みや腫れ、発熱などがみられることがあります。
なお、インフルエンザの発症を予防する効果については、フルミストと注射型ワクチンの間に明確な優劣は確認されていません。日本小児科学会では、2歳以上19歳未満の方について、原則としてどちらも同等に推奨しています。
ただし、喘息など一部の病気がある方には、注射型ワクチンが推奨される場合があります。
3.こんなお子さんにはフルミストも選択肢です
フルミストは、特に次のようなお子さんにとって選択肢のひとつになります。
・注射が苦手、または注射をとても怖がる
・毎年のインフルエンザワクチン接種が大きな負担になっている
・できれば1回の接種で済ませたい
特に13歳未満では、従来の注射型ワクチンは通常2回接種ですが、フルミストは1回で接種が完了することもメリットのひとつです。
一方で、体質や基礎疾患によってはフルミストより注射型ワクチンの方が適している場合があります。
4.接種方法
フルミストは、
左右の鼻腔内に0.1mLずつ、1回ずつ噴霧します。
合計0.2mLを、1シーズンに1回接種します。
注射は行いません。
また、薬を吸入するように強く鼻から吸い込む必要もありません。
5.効果について
フルミストを接種すると、鼻やのどなどインフルエンザウイルスが侵入する気道の粘膜での免疫反応に加えて、全身の免疫反応も誘導されます。
日本小児科学会では、フルミスト(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン)と従来の注射型ワクチン(不活化インフルエンザHAワクチン)について、インフルエンザの発症予防効果に明確な優劣は確認されていないとしており、2歳以上19歳未満では原則としてどちらも同等に推奨しています。
そのため、
「フルミストの方が効く」
「注射の方が効く」
と一概にいうことはできません。
お子さんの年齢、注射への苦手意識、喘息などの基礎疾患、生活環境などを考慮して選択することが大切です。
なお、どちらのワクチンもインフルエンザの感染・発症を100%防ぐものではありません。
6.副反応について
フルミストは鼻に噴霧する生ワクチンのため、接種後に鼻水や鼻づまり、咳、のどの痛みなど、軽い風邪に似た症状がみられることがあります。
国内臨床試験で多くみられた副反応は、
・鼻づまり・鼻水:59.2%
・咳:27.8%
・のどの痛み:17.9%
・頭痛:11.2%
でした。
そのほか、発熱、食欲低下、下痢、腹痛、だるさ、筋肉痛などがみられることがあります。
また、他のワクチンと同様に、頻度は不明ですが、ショックやアナフィラキシーなどの重大なアレルギー反応が起こる可能性があります。
接種後のインフルエンザ検査について
フルミストには弱毒化した生きたワクチンウイルスが含まれています。接種後4週間以内はワクチン由来のウイルスが残存している可能性があり、接種後一定期間はインフルエンザの迅速検査が陽性になることがあります。
フルミスト接種後に発熱などで医療機関を受診する場合は、「いつフルミストを接種したか」を医師にお伝えください。
7.接種できない方・接種前に注意が必要な方
フルミストは、すべてのお子さんに接種できるわけではありません。
フルミストの対象外となる方
2歳未満、または19歳以上の方
日本国内で承認されているフルミストの対象年齢は、2歳以上19歳未満です。
特に2歳未満では、海外の臨床試験で接種後の入院や喘鳴のリスクが増加したとの報告があるため、接種できません。
フルミストを接種できない方
・明らかな発熱がある方
・重い急性疾患にかかっている方
・フルミストの成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方
・明らかな免疫機能の異常がある方
・免疫を抑える治療を受けている方
・妊娠していることが明らかな方
接種前に必ずご相談いただきたい方
以下に該当する場合は、接種できるかどうかを医師が慎重に判断します。
・喘息がある方、現在ゼーゼー・ヒューヒューする症状がある方
・心臓、腎臓、肝臓、血液などの慢性疾患がある方
・過去にけいれんを起こしたことがある方
・過去の予防接種後に発熱や全身の発疹などがみられた方
・ゼラチン、鶏卵、鶏肉などにアレルギーがある方
・最近、抗インフルエンザ薬を使用した方
・アスピリンなどのサリチル酸系薬剤、ジクロフェナク、メフェナム酸などを使用している方
・家族など身近に重度の免疫不全の方がいる方
・鼻水・鼻づまりが非常に強い方
・その他、治療中の病気や服用中のお薬がある方
喘息のあるお子さんについて
フルミストの電子添文では、重度の喘息がある方や喘鳴がある方は「接種要注意」とされています。
さらに、日本小児科学会では、喘息のある方にはフルミストよりも従来の注射型インフルエンザワクチンを推奨しています。
当院でも、喘息の状態を確認したうえで、より適したワクチンをご提案します。
8.接種後の注意
接種後は、お子さんの体調に変化がないかよく観察してください。
呼吸が苦しそう、顔や唇が腫れる、全身に蕁麻疹が出るなどの症状がみられた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
また、
・接種当日は激しい運動を避けてください
・入浴は差し支えありません
・発熱など体調の変化があれば無理をせず休ませてください
フルミストは生ワクチンのため、接種後にワクチンウイルスが周囲の方へ伝播する可能性があります。
そのため、接種後1〜2週間は、重度の免疫不全の方との密接な接触を可能な限り避けてください。
9.よくある質問
Q.鼻水が出ていても接種できますか?
軽い鼻水などだけで全身状態が良ければ、接種できる場合があります。
ただし、鼻づまりが強い場合や発熱・体調不良がある場合には、当日の診察で接種を延期することがあります。
Q.喘息がありますが接種できますか?
喘息の程度や現在の症状によって判断が異なります。
特に重度の喘息や喘鳴がある場合は注意が必要です。また、日本小児科学会では喘息のある方には従来の注射型インフルエンザワクチンを推奨しています。
当院では現在の喘息の状態を確認したうえでご相談させていただきます。
Q.家族に重い免疫不全の方がいます。
フルミストは生ワクチンであり、接種後にワクチンウイルスが周囲の方へ伝播する可能性があります。
接種後1〜2週間は重度の免疫不全の方との密接な接触を可能な限り避ける必要があるため、このような場合には注射型インフルエンザワクチンをおすすめします。
Q.注射とフルミストでは、どちらの方がよく効きますか?
現在のところ、フルミストと注射型ワクチンの間に、インフルエンザの発症を予防する効果について明確な優劣は確認されていません。
注射が苦手かどうか、年齢、基礎疾患などによって適した方法が異なります。
Q.他のワクチンと一緒に接種できますか?
医師が必要と判断した場合は、他のワクチンと同時に接種することも可能です。
接種予定のワクチンがある場合は、予約時または診察時にご相談ください。
10.当院での接種について
フルミストは完全予約制です。
ご希望の方は、お電話でご予約ください。
ワクチンの入荷数には限りがあります。予定数に達した場合は受付を終了することがありますので、あらかじめご了承ください。
なお、基礎疾患やアレルギー、服用中のお薬などによっては、診察の結果、フルミストではなく従来の注射型インフルエンザワクチンをおすすめする場合があります。
11.接種費用
8,000円(税込)
お住まいの自治体によっては、接種費用の公費助成を受けられる場合があります。
有田町にお住まいの18歳までの方は、2,000円の公費助成がありますので、自己負担6,000円で接種できます。
その他の自治体にお住まいの方は、助成の有無や対象条件について、お住まいの自治体へお問い合わせください。
※フルミストは任意接種です。
