睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が停止することにより、日中に強い眠気を感じたり、倦怠感などの症状が現れる病気です。呼吸が止まる原因としては、気道(空気の通り道)が舌の落ち込みなどで狭くなることが多いです(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)。呼吸が止まることで眠っているあいだに体が低酸素状態となり、十分な深い睡眠がとれず、日中の眠気や倦怠感、集中力の低下などをきたします。また酸素不足の状態を良くするため心臓はなんとか全身に酸素を供給しようと頑張らなければならず、心臓に大きな負担がかかります。このような心臓への負担は高血圧の合併を引き起こし、その結果、脳卒中や心筋梗塞、突然死の原因となりうる不整脈など、命にかかわる重篤な疾患の発症リスクが高まってしまいます。自分自身で気付かない場合が多いため、家族に指摘してもらって発覚する場合もあります。
下記に当てはまる方は検査をお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合、まずは簡易検査を行います。この検査は当院から検査機器を貸し出して自宅で行うことができます。手指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや呼吸の状態から睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べます。1時間あたりに起こった睡眠中の無呼吸または低呼吸の回数をAHI(Apnea Hypopnea Index)という指標で確認し、簡易検査ではこのAHIが40回/時間以上あった場合、後ほどご紹介するCPAP療法が保険適応の対象となります。もし簡易検査でAHIが40回/時間未満であった場合には、精密検査(PSG検査)を行う必要があります。精密検査は入院(一泊)が必要となりますので、提携医療機関へご紹介いたします。
※簡易検査の検査費用は3割負担の方で約2,700円になります。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法は、患者様の重症度や年齢、病態などにより変わってきますので、お一人おひとりに合わせた方法をご提案いたします。
しかし”CPAP療法”という治療が症状の改善に非常に有効であるため、当院でも多くの方にCPAP療法を行っています。CPAP療法とは、専用の機械につながったマスクを鼻に装着することによって自動的に空気を気道(空気の通り道)へ送り込み、気道の閉塞を解除することで無呼吸の状態を改善させる治療です。物理的に呼吸を再開させますので、非常に治療効果が高いことが特徴です。
ただしCPAP療法はあくまでも症状の改善を目的とした治療のため、根本的に睡眠時無呼吸症候群を治すことはできません。CPAP療法を中断してしまうと、無呼吸状態が繰り返されてしまいますので、治療を継続することがとても大切になります。以前に治療を受けていたけど寝苦しくて継続できなかったという方も、機械の設定の変更やマスクのフィッティングで改善できることも多くありますので、ぜひ一度当院にご相談ください。