生活習慣病・一般内科
生活習慣病・一般内科
糖尿病をはじめ、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の診断やすでに薬を飲まれている方の治療継続はもちろん、健康診断で異常を指摘された方の診療も行います。当院では、糖尿病治療に欠かせない血糖値やヘモグロビンA1c測定器を院内に導入しており、検査当日に検査結果をご説明し、治療方針を決定しています。患者様おひとりおひとりの状態に合わせて治療や指導内容を決定し、その方のライフスタイルに合わせたきめ細かい治療を提供できるよう努力いたします。
生活習慣病は、生活習慣が原因になっている病気の総称です。運動不足や不適切な食生活、過度な飲酒、喫煙やストレスなど、習慣や環境が深く関与し、これらが積み重なることで発症します。
生活習慣病の多くは自覚症状がほとんどないため放置してしまいがちですが、気づかない内に脳や心臓、血管などにダメージを与えていきます。その結果、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などが起こり、命に関わったり重篤な後遺症を引き起こすことがあります。健康診断などの一般的な検査によって早期発見が可能です。決して安易に考えず、検査値に異常がある場合や少しでも不安を持たれた時は、お早めにご相談ください。当院では、生活習慣病の予防と治療に力を入れています。生活習慣の改善や投薬、禁煙指導などを通して皆様の健康寿命を伸ばすことを一緒に考えていきます。
ここでは生活習慣病として聞き覚えのある病気を中心にまとめてみました。どのような時に受診すれば良いのか判断する参考になれば幸いです。
糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高い状態をさす病気です。
糖尿病には「インスリン依存型(1型)糖尿病」と「インスリン非依存型(2型)糖尿病」の2つのタイプがあります。インスリン依存型(1型)糖尿病はウイルス感染や自己免疫により膵臓が破壊されておきるタイプで、糖尿病全体の5%をこのタイプが占めます。インスリン非依存型(2型)糖尿病は遺伝要因にくわえて、食べ過ぎ、運動不足、ストレスが加わって発症する糖尿病で、95%の糖尿病がこのタイプです。
糖尿病は初期症状が乏しく、目立った症状が現れることなく進行することが多い病気です。口渇(のどが渇く)、多飲(のどが渇くために水分を多く摂る)、多尿(尿の量が増える)、体重減少といった自覚症状が現れたころには、ある程度進行してしまっていることもあります。さらに、病気が進むと三大合併症と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を発症して、末期には失明したり、透析治療が必要になったりすることもあります。また、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こす可能性も高まります。またコントロール不良な糖尿病患者様は悪性腫瘍(がん)を合併しやすいことがわかっています。そのため、早いうちから、血糖値をコントロールすることが重要となります。
糖尿病の診断は、症状の有無、ヘモグロビンA1cの値、血糖値を総合的にみて診断していきます。当院では、糖尿病治療に欠かせない血糖値やヘモグロビンA1c測定器を院内に導入しており、検査当日に検査結果をご説明し、治療方針を決定しています。
当院では、軽度〜中等度の糖尿病の患者様に対して運動療法、食事療法、内服薬による薬物療法を行っています。
(重度の患者様、ならびにインスリンによる治療が必要と考えられる患者様は、まずは専門医の先生による診断・治療方針の決定・合併症のチェックが適切と考え専門医療機関をご紹介させていただいております。専門医での診療後に病状が安定された場合は、当院での継続治療が可能です)
血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことで、高血圧症は、正常範囲よりも高い血圧が続く病態をいい、診察室で140/90 mmHg以上、家庭で135/85mmHg以上となります。高血圧には、他の疾患や薬剤の副作用が原因で起こる二次性高血圧と、原因のはっきりしない本態性高血圧がありますが、日本人の高血圧症の約90%が本態性高血圧といわれています。本態性高血圧は、遺伝的要因と塩分の摂り過ぎ、肥満、過度な飲酒、喫煙、運動不足、精神的なストレスなどの環境的要因が重なって発症すると考えられています。
血圧が高い状態が続くと血管の壁に圧力が掛り、次第に厚く、硬くなります。これが高血圧による動脈硬化です。高血圧症は自覚症状に乏しく、なかなか気づくことができませんが、そのままにしておくと、動脈硬化を生じて心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気をまねいたり、脳出血・脳梗塞の原因になったりします。症状がなくても放置しておくことは禁物です。まずは、定期的かつ決まった時間に血圧を測定してご自身の血圧を管理しましょう。継続的に行う適度な運動、食生活を中心とした生活習慣の改善が予防と治療に有効です。それでも改善しない場合は薬による治療を行います。
脂質異常症は、それだけではとくに症状が現れることはありませんが、この状態を放置していると動脈硬化(動脈の壁にコレステロールがたまり、硬くなったり狭くなったりして血液の流れが悪くなる状態)が起こり、静かに進行して、心筋梗塞や脳梗塞といった怖い疾患が起こるおそれがあります。脂質異常症の主な原因は、食生活(肥満・カロリー過多)や過度な飲酒、喫煙、運動不足などが考えられます。
治療は通常、食事療法と運動療法からはじめます。食事療法としては動物性脂肪の代わりに魚や植物性の油を多く摂ること、コレステロールの吸収を抑える食物繊維を多く摂ること、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の過剰摂取を避けること、アルコールを控えめにすることなどが推奨されています。薬物療法は、これらを行っても脂質管理の目標値が達成できなかったり、持っている危険因子が多く、動脈硬化や動脈硬化による疾患を起こすリスクが高かったりする場合に開始されます。
高尿酸血症とは血液中の尿酸が7.0mg/dlを超える病態をいいます。痛風や腎結石、尿路結石の原因になるほか、肥満や高血圧、脂質異常症、糖尿病を複合的に合併することが多いといえます。
血液中の尿酸が高い状態が続くと、尿酸の結晶が関節にたまり炎症が起きてきます。これを痛風といい、足の親指の付け根などに生じやすく、痛風発作はあまりの痛みで足を引きずってしまうこともあります。痛風発作は消炎鎮痛剤などの治療で、1週間~10日ほどで落ち着きますが、治療を中断してそのまま放置すると、関節炎による結節(コブのようなもの)ができたり、腎機能障害や尿路結石のリスクを高めたりします。尿酸の結晶は、血清尿酸値が6.8mg/dl以上で形成されるといわれていますので、6.0mg/dl以下に保つことが治療目標となります。まずは原因となる生活習慣がないかを確認し、運動習慣や食生活を改善していくことが大切です。
一般内科では、皆様が日常生活の中で比較的遭遇しやすい症状や病気を診療します。下記に代表的な症状や病気を並べてみました。「何科に相談したらいいかわからない」などでお悩みの方もお気軽にご相談ください。循環器疾患、消化器疾患、腎臓疾患、内分泌・甲状腺疾患などにも幅広く対応いたします。また当院で診断・治療が難しい場合には連携している専門医療機関へ紹介させていただき、適切な診療を受けていただけるよう努力いたします。
例えば、このような症状がある方はご相談ください
かぜ症候群の原因の80~90%はウイルスの感染で、それ以外は一般細菌、マイコプラズマなどが挙げられます。
症状としてはくしゃみ、鼻みず、鼻づまり、のどのいがらっぽさなど、鼻やのどの粘膜の異常が顕著にみられます。発熱はあっても微熱程度で、頭痛や全身倦怠感など全身症状があっても軽いのが特徴です。治療は、ウイルス感染には抗生物質が効かないため、症状を抑えるお薬を服用しながら、安静、水分・栄養補給により自然治癒を促します。また、扁桃腺・副鼻腔・呼吸器系の症状が強く、細菌感染を疑わせる場合には、抗菌薬投与が必要になることもあります。
当院では、10分程度で白血球・CRP(炎症反応)が測定できる機器を導入し、ウイルス感染と細菌感染の鑑別や炎症の程度の把握、治療効果の判定に役立てています。
インフルエンザは、国内では例年12月~3月に流行し、例年の感染者数は国内で推定約1,000万人とされます。インフルエンザでは、咳やのどの痛みなどの呼吸器の症状だけでなく、高熱、全身のだるさ(倦怠感)、食欲不振などの全身症状が強く、しばしば、頭痛や関節痛・筋肉痛など呼吸器以外の症状を伴います。重大な合併症には急性脳症(インフルエンザ脳症)や重症肺炎があります。もし、インフルエンザが疑われる症状に気づいたら早めにご相談ください。