喘息の新しい治療「生物学的製剤」について|〜吸入薬だけではつらい症状が続く方へ〜
- 2026年1月8日
- 喘息
「毎日吸入薬を使っているのに、咳や息苦しさが治まらない」
「夜や明け方に喘息の症状で目が覚める」
「発作が怖くて外出や運動を控えている」
このようなお悩みがある方は、喘息の治療を一段階見直す時期かもしれません。
近年、喘息の治療は大きく進歩し、注射による新しい治療(生物学的製剤)が選べるようになっています。
生物学的製剤ってどんな治療?
生物学的製剤は、喘息を引き起こす体の中の“炎症の原因”だけを狙って抑える注射のお薬です。
これまでの治療は、「気道を広げる」「炎症を全体的に抑える」という方法が中心でしたが、生物学的製剤は喘息のタイプに合わせて、原因に直接アプローチします。
喘息に使用される主な生物学的製剤(薬剤名)
現在、日本で喘息治療に使用されている主な生物学的製剤には以下があります。
◆ オマリズマブ(ゾレア)
・IgE抗体を標的とする薬剤
・アレルギー性喘息が対象
・ダニ・ハウスダストなどのアレルゲンが関与する喘息に有効
◆ メポリズマブ(ヌーカラ)
・IL-5を抑制
・好酸球性喘息が対象
・血液検査で好酸球が多い方に適応
◆ ベンラリズマブ(ファセンラ)
・IL-5受容体を標的
・好酸球を強力に抑制
・注射回数が比較的少ないのが特徴
◆ デュピルマブ(デュピクセント)
・IL-4/IL-13を阻害
・好酸球性喘息・アレルギー体質の喘息に使用
・鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎を合併している方にも有効
◆ テゼペルマブ(テゼスパイア)
・TSLPという炎症の上流を抑制
・好酸球が少ない喘息にも効果が期待できる
・幅広い喘息タイプが対象
どんな人が対象になる治療?
生物学的製剤は、すべての喘息の方に必要な治療ではありません。
次のような方が対象になることがあります。
・吸入薬を続けていても発作を繰り返す。
・年に何度も喘息が悪化して受診・入院している。
・ステロイドの飲み薬を何度も使っている。
・日常生活に支障が出ている。
注射の治療って大変?
「注射」と聞くと不安に思われる方も多いですが、
・通院での注射
・2〜8週間に1回程度
・数分で終わる というケースがほとんどです。
副作用についても、事前にしっかり確認したうえで安全に進めます。
この治療で期待できること
・喘息発作が減る
・夜間や早朝の症状が楽になる
・生活の制限が減る
・ステロイドの内服を減らせる可能性
「もっと早く相談すればよかった」、とおっしゃる患者さんも少なくありません。
治療開始には専門的な評価が必要です
生物学的製剤は、誰にでも使える治療ではありません。
当院では、呼吸器専門医が
・喘息の重症度評価
・血液検査(好酸球・IgEなど)や呼気NO検査の結果
・これまでの治療経過
を総合的に判断し、最適な薬剤を選択します。
喘息でお悩みの方は一度ご相談ください
「もう仕方ない」と思っていた喘息症状が、治療の選択肢を変えることで大きく改善する可能性があります。
当院では
・喘息の専門的評価
・生物学的製剤治療の適応判断と治療導入
・必要に応じて高次医療機関との連携・紹介
を行い、患者さま一人ひとりに合った治療をサポートします。
まとめ|喘息はコントロールできる時代へ
生物学的製剤の登場により、重症喘息は「我慢する病気」ではなくなりました。
喘息の治療をしているにもかかわらず長引く咳や息苦しさでお困りの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
