喘息の吸入治療はいつまで続ける必要があるの? ― 症状がなくなっても治療を続ける理由 ―
- 2026年1月3日
- 喘息
当院には、有田町をはじめ、伊万里市や佐世保市、武雄市など近隣地域から、咳でお悩みの方が多く来院されます。診察の結果、喘息と診断された場合には、吸入薬による治療を開始しますが、多くの患者さんから次のようなご質問を受けます。
- 「吸入治療はずっと続けなければいけないのですか?」
- 「症状がなくなったら、治療をやめてもよいのでしょうか?」
これらに対する、呼吸器内科医としての私の答えは、
「症状がなくなっても、吸入治療は継続することが重要です」
なぜ、治療を続ける必要があるのでしょうか?
喘息は「症状がない時も炎症が続く病気」です
喘息は、カゼのように一時的に治る病気ではありません。咳や喘鳴(ゼーゼー)がない時でも、気道には慢性的な炎症が続いていることが特徴です。そのため、症状が落ち着いていても「治った」とは言えない状態です。
喘息治療は、今出ている症状を抑えるだけの治療ではなく、気道の炎症をコントロールし、将来の悪化を防ぐための長期管理治療です。治療の継続が必要かどうかは、症状だけでなく、医学的な評価をもとに判断します。
吸入治療を続けることで、増悪を防ぎます
吸入治療(主に吸入ステロイド薬)は、気道の炎症を抑え、喘息の悪化(増悪)を予防し、病状を安定させることを目的としています。症状が安定している時期に治療を継続することで、将来的な発作や急な悪化を防ぐことができます。
一方、自己判断で治療を中止すると、再び気道の炎症が強くなり、喘息が悪化しやすくなることが分かっています。また、増悪を繰り返すことで、呼吸機能が徐々に低下してしまいます。
治療の調整は医師と相談しながら行います
症状のコントロールが良好な状態が一定期間続き、呼吸機能検査や炎症の指標(呼気NOなど)も安定している場合には、医師の判断で吸入薬の量を段階的に減らす(ステップダウン)ことが可能です。治療の中止や変更は、必ず医師と相談しながら行うことが大切です。
当院の喘息治療について
喘息治療の目的は、症状を抑えることだけではなく、炎症を適切にコントロールし、増悪のない安定した状態を保ちながら、安心して日常生活を送っていただくことです。当院では、医学的根拠に基づき、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療を行っています。
